バングラデシュの首都ダッカを流れるブリガンガ川(資料写真)

「一帯一路」構想を進める中国が、陸に囲まれた中国南西部からベンガル湾やインド洋への出口を確保すべく、南方への進出を図っている。

 “インドの裏庭”と言われるバングラデシュでも、近年は中国がインドを差し置いて触手を伸ばし、影響力が拡大するようになった。

 バングラデシュでは2006年に、最大の輸入相手国がインドから中国に替わった。中国商務部によれば、その後、中国とバングラデシュの貿易額は2ケタ成長の伸びを示し、2014年の両国間の輸出入総額は125億4600万ドルに達した。同年の日本との輸出入総額は20億3700万ドルだから、その規模はざっと6倍だ。

 また、インフラ建設など中国からの直接投資も日本をしのぐ。2014年、日本からバングラデシュへの投資は4140万ドルと前年よりも半減したが、中国からの直接投資は1億6000万ドルにまで伸びた。

バングラデシュ人と中国人の共通点とは

 二国間の経済の結びつきを支えるのが、中国の民間企業のバングラデシュへの進出だ。特に縫製企業の進出が目立つ。バングラデシュの中国系縫製業の中には7000人の労働者を抱える大きな工場もある。縫製業以外にも、窯業、内装業、医療、養殖業、印刷業などの分野に中国資本が続々と入り込んでいる。