(英エコノミスト誌 2016年5月21日号)

「Fortune The Most Powerful Women 2013」でインタビューに答える、バークシャー・ハザウェイ社の会長兼CEOのウォーレン・バフェット氏(2013年10月16日撮影)。Photo by Fortune Live Media via flickr.

相互に関係した2件の意外な投資が意味すること

 通常、ウォーレン・バフェット氏の投資会社バークシャー・ハザウェイが企業の株式を取得することは、良い兆候だ。だが、5月16日に開示されたアップル株を10億ドル分購入したという話は例外かもしれない。

 バフェット氏は通常、成熟した企業を好む。そして「成熟」というのは、アップルが是が非でも避けたいレッテルだ。特に、直近の2016年1~3月期に売上高を前年同期比で13%減らしたとなればなおさらだ。

 また、バフェット氏がハイテクに詳しくないことはよく知られており、本人はそれを誇りにさえしている。実際、バークシャーの年次株主総会では今年になって初めてウェブでの中継が実現したし、もう1つのハイテク株投資――業績不振に苦しむIBM――は大きな損失を発生させている。

 おまけに、御年85歳のバフェット氏がアップルへの投資を決めた数週間前には、御年80歳のベテラン乗っ取り屋、カール・アイカーン氏がアップル株を50億ドル売却していた。2人の80代が同社の運命をめぐってがっぷり四つに組んだ光景は、イノベーションの殿堂というアップルのオーラを強めるものではない。

 今回のアップルへの投資は、バフェット氏の会社がいかに大きく変化したかを浮き彫りにしている。10億ドルという金額は、今やバークシャーの株式時価総額の0.3%相当にすぎず、たとえるなら大海の一滴でしかない。