(英エコノミスト誌 2016年5月14日号)

フィリピン次期大統領、死刑制度復活の意向表明

フィリピン南部ダバオの飲食店で記者会見するロドリゴ・ドゥテルテ次期大統領(2016年5月15日撮影)。(c)AFP/TED ALJIBE〔AFPBB News

ロドリゴ・ドゥテルテ氏の新政権下で古き悪しきやり方に逆戻りしてしまうのか。

 ここ6年間のベニグノ・アキノ政権のもとでフィリピンは退屈であると同時に成功した国になり、国内外の人々を驚かせてきた。かつては東南アジアの万年劣等生で、経済は伸び悩み、政治は中身よりも芸人のように人を楽しませる能力のほうが優先されるありさまだったが、遅まきながら、ほかの成功している国々と同じ道を歩み始めた。

 いろいろな政策が導入され(これ自体が目新しいことだった)、それをきっかけに外国企業が投資を始め、インフラ整備の支出や国内消費も押し上げられた。経済成長率は年率6%と高く、この地域の比較的大きな国の中ではトップクラスだ。

 雇用も生まれており、この国に設けられたコールセンターは世界各地から寄せられる苦情を数多くさばいている。さらに言うなら、国の債務が減る中で社会保障支出を増大させてきた。

 しかし、こうした進歩の継続が疑問視される事態になった。先日の大統領選挙で、一言も二言も多いロドリゴ・ドゥテルテ氏が著しくポピュリスト的な戦いを展開し、大勝利を収めたからだ。

 退屈ではあるが健全だったアキノ氏が去った後、大きなリスクは、昔の悪いやり方が復活してしまうことだ。