(英エコノミスト誌 2016年5月7日号)

王者レスター、ホーム最終戦で優勝セレモニーに花添える白星

15-16イングランド・プレミアリーグ第37節、レスター・シティ対エバートン。優勝セレモニーでトロフィーを手にするレスター・シティのクラウディオ・ラニエリ監督(2016年5月7日撮影)。(c)AFP/ADRIAN DENNIS〔AFPBB News

レスター・シティの成功は、マネジメントの教訓を求めてじっくり研究されることになる。

 気さくなイタリア人のクラウディオ・ラニエリ氏はサッカーの世界で水をワインに変える方法を見つけた。同氏が監督を務めるイングランドのサッカークラブ、レスター・シティは、これまであまり良い成績を収めてこなかったが、5月2日にイングランド・プレミアリーグで優勝を決めたのだ。

 プレミアリーグはこの地球上のどのリーグよりも多くのファンに見られている競技であり、過去20年間の大会で、レスターよりもはるかに大きな4つのクラブのいずれかが優勝してきた。今シーズンの開幕日、「フォックス」の愛称を持つレスターが優勝するとの賭けに与えられていたオッズは、5000対1だった。

 熱心なスポーツファンは、狡猾なキツネ軍団がどうやってこの偉業を成し遂げたのか――素早いカウンター攻撃、頻繁なインターセプト、深いディフェンスラインなどがピッチではすべて功を奏した――、そしてこの良好な状態は維持することができるのかという議論をしながら今年の夏を過ごすことになるだろう。

 しかし、レスターの勝利は、ビジネス界でも尋常でない関心を集めることになるだろう。ビジネスに携わる人々は以前から、マネジメントやリーダーシップについての教訓をスポーツの世界に求めてきたからだ。

 同じプレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドの監督として大変な成功を収めたアレックス・ファーガソン氏は、ハーバード・ビジネス・スクールの教壇に立った。米メジャー・リーグのチームながら資金力に限りがあったオークランド・アスレチックスでビリー・ビーン氏が統計を駆使したことは、「ビッグデータ」の威力を示す初期のたとえ話だった。そのビーン氏は現在、ソフトウエア開発会社ネットスイートの取締役を務めている。

 また、さまざまなエリート選手を診てきた精神科医のスティーブ・ピーターズ氏は、ストレスにさらされたビジネスピープルが「内なる猿」を手なずけるのを支援すると銘打ったプログラムを運営している。従って、ラニエリ氏が企業から社員向けの講演を依頼されたり、リーダーシップについて本を書くよう促されたりする可能性は高いと見ていいだろう(『I, Claudio(私、クラウディオ)』などどうだろうか)。