遊びまわる園児たち。大人は子どもたちの賑やかな声にもう少し寛容になれないものか。(写真はイメージ)

 おおさか維新の会の足立康史衆議院議員が、民進党に対して「アホ、馬鹿」発言を繰り返して、民進党から懲罰動議が出されている。本当に賢い人は、他人(他党)に対して、「アホだ、馬鹿だ」などとは言わないものである。民進党を批判するなら、その政策や政治行動について、正面から批判すればよいだけのことだ。それをしないで罵るようなことばかりを言うのは、自らの下品さを吹聴しているようなもので、自らを貶めているだけのことだということを知るべきだろう。

 足立議員本人は、「確実に票を減らしている」「父親からも『お前に期待していたが諦めた。孫に期待する』と言われた」と語っているそうだが、それはそうだろう。ところが同党の幹部は、「足立議員は、おおさか維新の最終兵器だ」と持ち上げているというのだから驚くほかない。

 政治の世界では、敵対する政党間で激しい批判合戦が行われることは珍しくない。当然のことと言ってよい。しかし、何事でもそうだが、そこには保たれるべきマナーがあるはずだ。スポーツをしても、見ても楽しいのは、一定のルール下で行われているからである。

 政党間の論争は、もちろんスポーツではない。一種の口喧嘩であり、ルールはない。だからこそマナーがより必要なのである。私は、どんな相手であっても罵倒し尽くすという口喧嘩は好きではない。そんなやり方が政治の世界でまかり通れば、それは必ず社会にも影響を及ぼすことになるだろう。どんな相手であっても逃げ道を作っておくことが必要なのだ。