(英エコノミスト誌 2016年4月30日号)

FRB議長、マイナス金利導入を否定

東京都内で、前営業日比838円74銭安の日経平均株価を示す掲示板を眺める通行人(2016年2月12日撮影)。(c)AFP/KAZUHIRO NOGI〔AFPBB News

金融政策が行き詰まり、政策立案者は大企業を批判している。

 日銀の黒田東彦総裁が4月末、金融市場に再び不意打ちを食らわせた。円高の進行とインフレ率の低下に直面する総裁が日銀の信頼性を補強するには、追加的な金融緩和策以外の選択肢はほとんどない、というのが市場の大方の見方だった。

 ところが日銀は結局、これまでのスタンスを維持した。この判断が4月28日に下されると、市場はすぐに反応した。円は急騰し、日経平均株価は急落した。

 特定の基準を上回る部分の超過準備を対象に0.1%のマイナス金利を導入することを今年1月の終わりに発表して以来、黒田氏は説明のために32回も国会に呼ばれている。今回はこの経験ゆえに用心深く行動したのかもしれない。あるいは、低インフレ・低成長のぬかるみから日本経済を引っ張り出す際に金融政策にかかる負担を減らすべきだと、安倍晋三首相にほのめかしたつもりなのかもしれない。

 それでもなお、エコノミストの多くは、日銀は遠からず追加緩和に踏み切る以外の選択肢はほとんどないと考えている。石油価格の下落や中国の景気減速のせいもあり、安倍氏の政策は高率の経済成長やインフレを生み出すのに失敗している。2015年第4四半期の国内総生産(GDP)は年率換算で1.1%縮小しており、2016年上半期の成長率も0%前後にとどまると見られている。

 日銀の金融政策決定会合の前には、期待を抱かせる経済指標もいくつか見受けられた。中でも3月の鉱工業生産は前月比3.6%の上昇という、ほぼ5年ぶりの高い伸びを記録していた。しかし、第2四半期の経済成長率は恐らく、熊本県を先日襲った地震とそれによる産業のサプライチェーン寸断の影響で悪化するだろう。