都知事、ロンドン市長と「茶の湯」

都内の明治神宮で「茶の湯」を楽しむロンドンのボリス・ジョンソン市長と舛添要一都知事(2015年10月14日撮影、資料写真)。(c)AFP/Yoshikazu TSUNO〔AFPBB News

 舛添要一東京都知事は就任時から「都市外交」を政策の柱に掲げ積極的に進めてきた。しかし、その都市外交の進め方に批判が集まっている。

 一昨年の韓国出張やその際の朴大統領との不透明な「約束」、不明朗な「海外出張費用」に始まり、最近では熊本地震時の豪華で派手な訪米が批判の対象となっている。

 あるいは、都市外交という概念自体を批判する向きもある。外交は国家の専権事項ではないかという趣旨である。

 しかし、本当の問題は、そもそも舛添都知事の「都市外交」の戦略なり基本方針にある。結論から言えば、1980年代の「紹興酒をあおって日中友好万歳を唱和」式から進歩はなく、ほとんど無意味な文化交流ばかりであり、東京都の経済成長に資するものはまったくないのである。

舛添都政の外交戦略「東京都都市外交基本戦略」とは

 舛添都政の都市外交を知る手がかりは、2014年12月に東京都が発表した「東京都都市外交基本戦略」(以下、都市外交戦略)という文書にある。この文書は、「都市外交を効率的・戦略的に進め、最大の効果をあげるために、基本的な考え方と政策の方向性を示す」ものとされ、舛添都政の「都市外交」の全体像を示していると言えよう。