フライト中に映画に没入、機内用3Dヘッドセット開発

XL航空フランスが試験導入した機内用3Dヘッドセット「スカイシアター」。(c)Relaxnews/DePress〔AFPBB News

 米国の市場調査会社、IDCがまとめた、仮想現実(VR:virtual reality)と拡張現実(AR:augmented reality)のハードウエア製品に関するリポートによると、これらの機器を合わせた今年(2016年)の世界出荷台数は1000万台に達する見通し。

VRとARの違い

 このうち前者のVR用ハードウエアの出荷台数は960万台、その売上高は約23億ドル(約2555億3000万円)になるという。

 一方でAR用ハードウエアの出荷台数は40万台にとどまるが、こちらは今後数年かけて成長し、2020年には4560万台に達する見通しという。

 そしてVRとARの両方を合わせた機器の出荷台数は2020年に1億1000万台を超えると、IDCは予測している。

 前者のVRは目の前にある実際の場面から離れ、完全にデジタル世界の中に身を置くという技術。

 これを可能する機器としては、米フェイスブック傘下のオキュラスVR(Oculus VR)が手がけるヘッドマウントディスプレイ(HMD)「Oculus Rift」が知られるが、台湾HTC(宏達国際電子)の「HTC Vive」やソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の「PlayStation VR」、そしてオキュラスVRの技術を使った韓国サムスン電子の「Gear VR」などもある。

 後者のARは、目の前の現実の場面にデジタル情報を重ね合わせて表示するという技術。こちらは、米グーグルの「Google Glass」のような眼鏡型機器で知られるが、透過ディスプレイを備える米マイクロソフトの立体映像用HMD「HoloLens」もARに分類される。