バハマ・ナッソーの港に停泊中のクルーズ船(筆者撮影、以下同)

「ウェディング」または「ハネムーン」または「カリブ海クルーズ」という選択肢が、入国書類の「渡航目的」の欄に列挙されていた。「観光」「ビジネス」「会議」という選択肢と並列だった。

 空港には「ウェディング」または「ハネムーン」客を迎えるリゾートホテルの運転手が数多く来ていたが、私はバックパックを背負っていたので話しかけられることもなかった。私がバスを乗り継いで向かうのは観光案内所で聞いた島内最安値のモーテルである

 アメリカ・フロリダ州の南東、キューバの北、カリブ海に浮かぶ群島国バハマの首都ナッソー(ニュープロヴィデンス島)に来ていた。

印の付いた場所一帯がバハマ(Googleマップ)
拡大画像表示

 ここはなかなかアメリカ的な島国で、まずは公用語が英語だった。通貨はバハマドルだが、バハマドルは米ドルと連動している上(1バハマドル=1米ドル)、島では普通に米ドルが使える。

 バスは1回乗るごとに1ドル25セント。運転手のおばさんはハンドルの横の溝からお釣りのコインを面倒くさそうに「ほい」と投げてよこす。