(英エコノミスト誌 2016年4月2日号)

ベネズエラ、経済緊急事態を宣言 大統領「危機的状況」

ベネズエラの首都カラカスのスーパーマーケットに長蛇の列をつくって並ぶ人たち(2015年1月13日撮影、資料写真)。(c)AFP/FEDERICO PARRA〔AFPBB News

今日のベネズエラは15年前のジンバブエに似ている。

 ベネズエラのスーパーに出掛けることは、モンティ・パイソンのチーズショップのコントの世界に足を踏み入れるようなものだ。

「牛乳はありますか?」と尋ねると、店員は頭(かぶり)を振る。

 砂糖は? ありません。コーヒーは? ありません。石けん? ないです。トウモロコシの粉? ないです。サラダ油? ありません。

 じゃあ、政府が生活に欠かせないものだとみなして価格を生産コスト以下の水準に固定した商品で、置いてあるものは何かないんですか? いいえ、何もありません――。

 この際何でもいいから「何か」を積んだトラックがやって来るかもしれないという一縷の望みにすがりながら店の外で行列を作っている庶民にとって、これは気の毒としか言いようのない話だ。

 首都カラカスの近くの村からやって来たジェセニアさんという中年女性は、真夜中に起きてバスに乗り、スーパーの前で午前3時から並んでいるが、午前10時になってもまだ並んでいる。

「ひどい話ですよ。日なたでずっと立ちっぱなしで。朝ご飯も食べてないし、水も飲んでいません」。どうして物資の不足がこれほど深刻になっていると思うか、と尋ねたところ、こんな答えが返ってきた。「行政が悪いのよ」

 これは控えめな言い方だ。ベネズエラ政府はエッグノッグを飲み過ぎて酔っ払ったサンタクロースのような大盤振る舞いをし、農村部の住宅からコメに至るまで、あらゆるものに補助金を出している。特に原油価格が下落してからはそのお金を払えないため、紙幣をどんどん印刷している。