中国の南シナ海開発は「平和損ねる」、ASEAN首脳会議で声明

フィリピン・マニラの中国領事館前で、南シナ海の南沙諸島で中国が進める開発工事に抗議する人々(2015年4月17日撮影、資料写真)。(c)AFP/Jay DIRECTO〔AFPBB News

 中国の習近平政権は、米国への挑戦的な戦略を進めるとともにアジアでの勢力拡大にも努めてきた。しかし、ここに来てアジア戦略は壁にぶつかり、修正を試みるようになった。日本に対しても、この1年半ほど続けてきた安倍晋三首相「悪魔化」キャンペーンを減速させ、態度を軟化させる戦術を見せ始めた――。

 米国のベテラン中国研究者から、中国の対アジア戦略の現状がこのように明らかにされた。

アジアでの影響力発揮を最大限に試みてきた

 前回の当コラム(「中国の『欺瞞』外交にオバマもいよいよ我慢の限界」)で、ジョージ・ワシントン大学のロバート・サター教授による3月9日の講演の内容を紹介した。

 サター教授は米国務省、中央情報局(CIA)、国家情報会議などの中国専門官として30年以上を過ごし、中国の対外戦略研究では米国で有数の権威とされている。