中国で原油生産減少、それでも価格は上昇しない理由

改革が生み出す大量の失業者、中国経済はさらに停滞?

2016.03.18(金) 藤 和彦
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46356
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 勝利油田と言えば、黒竜江省の大慶油田に次ぐ生産量を誇り(年間約2500万トン)、操業年数も大慶油田に次いで長い。大慶油田から派遣された技術者により1962年に発見された勝利油田は1964年から本格的な生産が開始され、2010年頃から渤海海域にまで鉱区を拡大した。2014年まで毎年黒字を計上していたが、昨年は創業以来初の赤字に転落した。

 勝利油田でこのような措置が採られても2億元分の赤字しか解消できないため、今後さらなるリストラが実施される可能性が高い。

寄る年波には勝てなかった「大慶油田」

 中国最大の国有石油企業である「中国石油天然ガス集団」(CNPC)も生産量の削減を進めている。3月6日、CNPC生産経営管理分門のトップは「今年の国内原油生産量の目標は前年比2.9%減の1億800万トンだ」と発言した。

 すでに昨年は、自社が所有する中国最大の「大慶油田」の生産量を150万トン削減している。大慶油田と言えば、建国以来の経済成長を支えた「屋台骨」と言っても過言ではない。

 大慶油田で原油の生産が始まったのは1960年。1976年に年間5000万トン(日量100万バレル)の水準に達し、以来、2002年までの27年間、年間生産量5000万トンを維持し続けた。その後の12年間も4000万トン台を続けてきたが、昨年ついに4000万トン割れとなった。国内の原油生産量のシェアはかつては40%を超えていたが、現在のシェアは約20%である。

 一時期はその躍進ぶりから「工業は大慶に学べ」とのスローガンにもなったほどだったが、寄る年波には勝てなかったようだ。昨年夏頃から関係者の間では、「大慶油田の寿命がいよいよ終わりに近づいている」ことが周知の事実となっていた。油層への水圧入(水攻法)を長年多用したため原油の含水率が増え、現場労働者からは「採っているのは水ばかり」と嘆きの声が聞かれるようになった。

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経済産業研究所上席研究員。1960年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒。通商産業省(現・経済産業省)入省後、エネルギー・通商・中小企業振興政策など各分野に携わる。2003年に内閣官房に出向(エコノミック・インテリジェンス担当)。2016年から現職。著書に『日露エネルギー同盟』『シェール革命の正体 ロシアの天然ガスが日本を救う』ほか多数。

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