(英エコノミスト誌 2016年3月5日号)

クリントン、トランプ両氏が勝利確実 米大統領選指名争い3戦目

米ネバダ州の民主党党員集会で勝利し、支持者を前に演説するヒラリー・クリントン前国務長官(2016年2月20日撮影)。(c)AFP/JOSH EDELSON〔AFPBB News

「トランプ対クリントン」の対決は、ぞっとするような展望だ。しかし、目を凝らしてみると、希望の光がかすかに見えてくる

 民主党の大統領候補はヒラリー・クリントンになるだろう。そして、11月に共和党の候補者として彼女と対峙する可能性が最も高いのはドナルド・トランプだ。

 これが「スーパー・チューズデー」を終えた直後の戦況だ。いろいろな意味で、これはかなり気の滅入る組み合わせである。

 トランプ氏は移民、女性、イスラム教徒についてますます胸が悪くなる発言をしている。白人至上主義者を非難することもしない。

 だが、同氏にとっては売り口上を変えることなど朝飯前だ。11州のうち7州をもぎ取った後のスピーチでは、人を罵るのをやめ、大統領らしく聞こえるように努めた。厳かさを装い、中道派に見える人物に変身できる同氏の能力を甘く見ない方がいい。

 トランプ氏と「オーバルオフィス」(ホワイトハウスの大統領執務室)の間にある唯一の障害がヒラリー・クリントン氏だ。クリントン氏は手ごわく、いくつかの面では称賛に値する候補者だ。だが、欠点もある。党の支持基盤の一部から好かれていないうえに、機密情報の誤った扱い方に関して捜査の対象になっているからだ。これでは、今の米国政治をじっと見ている人々が心底がっかりしても無理はない。

 しかし、できるだけ楽観的になって、米国の有権者の良識を信頼し続ければ、11月の本選挙をもっと前向きにとらえられるようになるはずだ。