中国の第2次大戦映画、歴史歪曲と非難集中

人民解放軍が大掛かりな機構改革を実施。その狙いとは?北京にある天安門に掲げられている毛沢東の肖像画(資料写真)。(c)AFP/Greg BAKER〔AFPBB News

 昨年(2015年)末から今年2月の春節前までの1カ月余りで、習近平は人民解放軍の大胆な機構改革をやってのけた。大胆な改革を実行できるほどの実力をつけたことを証明するものであるとともに、そうしなければならなかった背景も考慮しなければならないだろう。

米国に「新型大国関係」を持ちかけたのは時間稼ぎ

 習近平の軍事改革には、表裏をなす2つの動機がある。

 1つは長期的国家戦略であり、中国を米国に対抗しうる強国にするために必要な強軍建設である。ただし、それは一朝一夕に実現できるわけではなく、一定の時間が必要となる。それは2020年を改革達成の目標としたことに見て取ることができる。

 長期的国家戦略の中で、なぜ軍事改革が必要だったのか。中国の国際戦略を見てみよう。

 習近平は、まだ国家副主席だった2012年の訪米時以来、オバマ大統領との首脳会談のたびに米中の「新型大国関係」を持ちかけてきた。これは新興大国たる中国が既成の大国である米国に対抗せず、協調関係を構築することを提案するものである。そこには名称が示すように「中国が米国に対抗しうる大国になった」という自負が示されていた。

 そして同時に、鄧小平時代から継続されてきた「韜光養晦」(低姿勢で自力を蓄える)路線が2010年頃から中国国内で言及されなくなった代わりとして出現してきたことに注目する必要がある。