(2016年2月19日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

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高等教育の分野では、超大国は英国〔AFPBB News

 高い評価を得ている大学の世界ランキングで、上位10校のうち4校は英国の大学だ。上位20校なら5校、上位50校なら10校がそうだ。これは英クアクアレリ・シモンズ(QS)の世界大学ランキングによる数字だが、ほかのランキングでも同様だ。

 米国は、規模と豊かさで英国を圧倒するにもかかわらず、上位10校のうち5校、上位50校のうち18校を占めるにとどまる。

 欧州大陸の大学は上位10校に入っておらず、上位50校においても4校しかない。高等教育の分野では、英国は超大国なのだ。

 だとすれば英国政府は改革に慎重に取り組むと思えるが、それは正しくない。英ビジネス・イノベーション・技能省が昨年末に公表した政策提案書「Fulfilling our Potential(潜在能力を開花させる)」には、大胆な新計画が盛り込まれている。その中心にある考え方は、「このセクターに質の高い業者を新規参入させ、これまでよりも激しい競争を促す」ことにある。

 この計画が実行されれば、民間企業を含む新規参入者はたやすく「大学」になることができ、学位も授与できる。参入もできれば退出もできる。政府は学生ローンを組める人数の制限も撤廃した。だが、こうしたローンを組む学生の学力には条件をまったく設けていない。

大学が特殊な機関である所以

 ここで1つ問題になるのは、高等教育をビジネスとしてとらえることが理にかなっているかどうか、だ。政府はいろいろな問題を認識しているが、それらを過小評価している。

 大学というところは、そもそもの成り立ちはもとより今日においても特殊な機関だ。ここは教師と学者の共同体であり、その目的は、物事の理解を深めてそれを世代から世代へと伝えていくことだ。

 大学は我々の文明の栄光だ。企業ではなく、訓練校でもない。こうした点について、政策提案書はほとんど分かっていないように見受けられる。ラベルを粗末に扱うことは大した問題ではないかもしれないが、大学の役割を認識していないことは大きな問題だ。