(英エコノミスト誌 2016年1月23日号)

世界中で、若者が抑圧されたマイノリティ(少数派)になっている。彼らを解放しなければならない。

仕事や住まいを見つけるのが難しく、将来を描きづらいという若者の不満は万国共通 (c) Can Stock Photo

 『ハンガー・ゲーム』の世界では、若者たちが白髪の支配者たちの娯楽のために、死を賭して闘うことを強いられる。現代のティーン向けフィクションは容赦なくディストピア的だが、空想の世界と現実のギャップは、我々が思っているよりも狭いことが珍しくない。年配の世代は、直接的な殺人という手段こそ取らないにせよ、ミレニアル世代に関する本誌(英エコノミスト)の今週の特集記事でも触れているように、いくつかの重要な面で若い世代を抑圧している。

 世界の人口のおよそ4分の1(約18億人)は、15歳以上30歳未満の年齢層にいる。

 彼らは多くの点で、かつて存在した中で最も幸運なヤングアダルト世代だ。

 これまでのどの世代よりも豊かで、天然痘も毛沢東も存在しない世界に生きている。過去最も充実した教育を受けた世代でもある。現在のハイチ国民が学校で過ごす時間は、1960年当時のイタリア国民よりも長い。このように長くなった学習時間と栄養状態の向上のおかげで、彼らは上の世代より知的になっている。

 女性や同性愛者の場合は、彼らの先人たちには想像もつかなかったほどの大きな自由を、多くの国で手に入れている。さらに、技術の進歩にも期待が持てる。例えば、彼らの多くは100歳を優に超えるまで生きられるだろう。それでは、彼らはいったい何に不満があるというのだろうか?

大人に唾を吐きかけられる子供たち

 不満はたくさんある。歴史上初めて若者たちが世界共通の文化を形成している今、若者特有の不満もまた世界中で共有されている。世界中の若者たちが、職や家を見つけるのが難しすぎる、大人になるまでの道のりが長く複雑になっている、と不平を漏らしている。

 彼らの苦悩の多くは、若者よりも高齢者を優遇する政策のせいにできる。雇用について考えてみてほしい。多くの国の労働法は、企業に充実した福利厚生を求め、労働者の解雇を難しくしている。そうした規定は、すでに職を持っている人(年齢の高い者が多い)にとっては好都合だが、企業にすれば新規採用をためらう要因になる。