(2016年1月21日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

ダボス会議は気候変動が議題の中心に - スイス

世界経済フォーラム(WEF)年次総会のために、今年も世界のエリート層がスイス・ダボスに集まっている〔AFPBB News

 いろいろな世論調査の結果が発表されては消えていくが、時折、何か重要なことを説明しているように見えるために大きな反響を呼ぶ調査結果がある。

 企業や政府などの機関の評判に着目する「エデルマン・トラスト・バロメーター」という年次調査は今年、さまざまな知識・情報に通じた「教養層」とそのほかの人々との間に際立った意見の相違があることを浮き彫りにした。

 この調査によると、教養層――ここでは、メディアに流れる情報を普段から見聞きし、所得水準が上位25%に入る大卒者を指す――は、政府や企業といった機関に対する信頼をこれまでよりも強めている。

エリート層と一般大衆の断絶

 しかし、そのほかの人々はそうではない。教養層は概して満足しているが、それ以外の人々は満足していない。また、この2つの集団はお互いをもう理解していないばかりか、知り合いでもないという。

 米国ならドナルド・トランプ氏を、フランスならマリーヌ・ルペン氏を支持するとか、英国の前回の総選挙では英国独立党(UKIP)のナイジェル・ファラージ氏に1票を投じたなどと話す人が多数いる一方で、筆者(そして恐らく、この記事の読者の多く)がそういうことをわずかでも考える人を1人も知らないのは、そのためだ。

 エデルマンの調査によれば、両グループのずれは近年拡大している。エリートと一般大衆の意見の隔たりが特に大きいのは米国、英国、フランス、インド、そしてオーストラリアだ。

 この隔たりが見られるのは、政府や企業に対する信頼だけではない。両グループは、自分自身の将来の見通しにおいても異なっている。米国では、自分や家族は5年後にもっと豊かになっていると考える人の割合が「教養層」では63%に達しているが、そのほかの人々の間では45%にすぎない。