東京都心上空を飛行経路として開放する施策が進められている。テロ対策の議論は十分なのか?(写真はイメージ)

 国土交通省の極めて危険な施策が現在進行中です。これまで飛行経路として開放されていなかった東京都心上空を開放するというのです。

 趣旨としてはオリンピック開催、観光促進、地方創生に向けて羽田の国際線の飛行回数を現在の6万便から約10万便へと2020年までに増やすというもので、その実現には従来の東京湾上空や千葉県中部経由の飛行ルートだけでは足りないというのです。

 現在のところ、品川区、目黒区、渋谷区、新宿区、中野区、練馬区、港区、江東区等の飛行予定地域における騒音問題だけが議論されているようです。しかし、決定的に欠けている論点があります。ハイジャックによる9.11のようなテロに対して脆弱になるという安全保障面の弊害です。

都心の人口密集地の上空を4万便の飛行機が飛び交うことに

 2014年7月、国土交通省の有識者委員会「首都圏空港機能強化技術検討小委員会」が提言をまとめました。その中で、「これまで“東京湾”上空などを経由していた『羽田空港を離着陸する航空機の航路』に、“東京都心”上空を追加する」案が正式に表明されました。

 この提案や国土交通省のその後の説明によれば、これまでの飛行経路(図1)に新たな経路(図2、図3)を2020年までに追加するとのことです。これを見れば一目瞭然ですが、新たに都心上空を、それも新宿では高度600メートル、品川では東京タワーより低い高度300メートルで飛び交うようになります。しかも、大型機を含む年間約4万便がです。

図1 現状の羽田空港の離着陸機の飛行経路
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図2 新たな飛行経路案①(国土交通省説明資料)
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図3 新たな飛行経路案②(国土交通省説明資料②)
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