(英エコノミスト誌 2016年1月2日号)

現金輸送車から2億円落下・散乱、交通大混乱 香港

米国の金融引き締めでドル相場がさらに上昇するとの予想が大半だが・・・〔AFPBB News

 投資家は往々にして、楽観的なムードで新年を迎え、結局、予想外の出来事によって窮地に陥る羽目になる。いくつかの点でコンセンサスが間違っていたことが判明するのは、ほぼ必然だ。特に、大半の投資家の読み筋がすでに市場価格に織り込まれているからだ。

 だから本稿では、2016年の潜在的なサプライズを5つ提案したい。

 サプライズの定義は、「コンセンサス(賭博サイトやファンドマネジャーの調査によって判断される大方の見方)が予想していないこと」だ。

思わぬドル安

 最初のサプライズは、ドルが上昇せずに、下落することかもしれない。コンセンサスの見方は、クリスマス前に利上げした米連邦準備理事会(FRB)が2016年にあと2~3回金融政策を引き締める、というものだ。金利が上昇すれば、投資家はドル買いに意欲的になる。欧州中央銀行(ECB)と日銀がともに金利をゼロ近辺に維持するため、なおのことドル買いに走るだろう。

 だが、ドルはすでに大幅高を演じてきたことから、金利上昇はすでに相場に織り込まれているかもしれない。現状でさえ、投資家は、FRBが現在自ら予想しているほど政策を大きく引き締めることを疑っているように見える。実際の結果は、それ以上に小幅かもしれない。

ついに国債の強気相場が終わる?

 2つ目のサプライズは、あまりに馴染みがありすぎて、サプライズの名にふさわしくないかもしれない。評論家はもう何年も前から国債の強気相場の終焉を予想しており、識者は2016年もほぼ同じことを見込んでいる。だが、しぶとい低インフレと各国中央銀行の支えが今まで利回りを低水準に抑えており、今後もその状況が続くかもしれない。

 これは日本の状況とそっくりだ。2000年以降、あまりに大勢の投資家が日本国債の利回り上昇に対する賭けで儲けることに失敗してきたため、日本国債売りは「ウィドーメーカー*1」として知られている。先進国では、年金基金や保険会社、定年退職者が軒並み、債券などの確定利付き資産の熱心な買い手になっている。もしかしたら国債利回りは2016年にじりじり上昇するかもしれないが、大幅な上昇はないだろう。

*1=Widowmakerは直訳すれば未亡人製造機、大損する恐れのある危険な投資を指す