(2016年1月5日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

外交的には成功のAIIB、問われる中国の運営能力

中国の政治は一見落ち着いているが、サプライズがあるかもしれない・・・〔AFPBB News

 2016年に関する予想を評価する際には、「連続性バイアス」に気を付けた方がいい。今年は昨年に少し似た年になる、ただ、その様相が強まるだけだと想定したくなる衝動のことだ。

 実際、最近の政治史は、1年を決定付ける出来事は概して大きなサプライズや連続性が突然途切れる断絶であることを示している(どうしても必要なら、それを「ブラックスワン」ないし「未知の未知」と呼ぶといい)。

 2014年の初めに、筆者の知る識者でロシアがクリミアを併合するとか、ISISと呼ばれるジハード(聖戦)主義者集団がイラク第2の都市モスルを制圧すると予想している人は誰もいなかった。

 また、2015年の初めに、多くの人がこの年に100万人以上の難民がドイツに到着すると予想したり、米国でのドナルド・トランプ氏の信じ難い台頭を予見したりしていたという記憶はない。

 これらはすべて、2016年の最も重要な地政学的な出来事もやはり、識者と政治家がまだ話題にしていない何かであることを示唆している。予想不能なことを予想するのは勝ち目のないゲームだ。だが、それでもなお筆者はこのゲームをするつもりだ。最善のアプローチは、「同じことの繰り返し」ではなく潜在的な断絶を探すことだと思う。

習近平国家主席の反腐敗運動に反発も

 2016年の突然のサプライズを探すのに最適な場所は、中国かもしれない。過去25年間にわたる中国の成功のカギの1つは、政府が経済状況を刺激的なものに、そして政治を退屈なものに保てたことだ。それが今年変わる可能性がある。

 習近平国家主席の反腐敗運動は、中国屈指の有力者や富豪を何人かのみ込んでいる。軍幹部や中国の治安当局トップ、億万長者、最高経営責任者(CEO)、テレビのパーソナリティーなどだ。