トルコで移民船沈没、22人死亡 警察が陸路越境を阻止

トルコ・イスタンブールのバスターミナルで、移民や難民へのギリシャ国境行きのバスの切符の販売が警察により阻止される中、シュプレヒコールを上げる移民や難民ら(2015年9月15日撮影)〔AFPBB News

 災害報道に接していると、デジャヴにとらわれることがある。それは映画でいつか見た光景。「パニック映画(英語では「Disaster Movie」)」の1シーンであったりする。

 「アメリカン・ニューシネマ」のムーブメントにのまれたハリウッドから、1970年、オールスターキャストの大画面パニック映画『大空港』(原題Airport)が登場、古き時代最後の残火にも見えるオーソドックな作りの群像劇は大ヒットを記録する。

 以後、「Airport~」と題する作品が粗製乱造(正式続編は3本のみ)。数知れぬ映画のおかげで、航空災害のシナリオは語りつくされたかのようだった。

 しかし、昨年、戦禍のウクライナ上空でのマレーシア航空17便撃墜、長く行方不明となり今年7月ようやく残骸が見つかった同370便・・・。

 そして、今年3月、パイロットの故意とされるジャーマンウィングス機墜落、テロとの見方は強まるもののいまだ確定しない10月のシナイ半島でのロシア機墜落、と、釈然としないケースが続く。

世界を驚かせた難民船

 こんな世では、航空機に乗るのも、一歩引いてしまう。しかし、航空機事故遭遇の確率は10万分の1にも満たない、というデータもある。

 航空工学をかじれば、不安も減る。それでも二の足を踏むのは、人間は飛ぶことに、本能的に不安を抱いているからだろうか。

 日本は島国だから、外国に行くには、航空機が嫌なら、船しかない。アジア、アフリカでは、いまだ、島のみならず、河川を船で渡るところも少なくない。それも、どう見ても定員オーバーで。今年は難民船に関する報道もよく見かけた。

 近年豪華船クルーズがちょっとしたブーム、と言われても、馴染みがないから、パニック映画をブームへと導いた『ポセイドン・アドベンチャー』(1972)を見てもピンとこない。

 しかし、ここで豪華客船が転覆する理由は、海底地震による津波。日本人には結構身近な映画かもしれない。

 4月、9000人近い犠牲者を出したネパール中部地震。大地震こそなくとも、日本では地震は日常。今年は、箱根山、口永良部島、浅間山、阿蘇山、桜島、各地で火山活動も活発化した。