「スター・ウォーズ」週末興収、北米で新記録 全世界で620億円超

米ロサンゼルスで行われた人気映画シリーズ「スター・ウォーズ」関連イベント「ライトセーバー・バトルLA」にコスプレで参加した人(2015年12月18日撮影)。(c)AFP/ROBYN BECK〔AFPBB News

 文字が発明されて以来、人類はさまざまな物語を生み出してきた。かつて、これらの物語は特定の地域・文化に根差していた。しかし世界のグローバル化とともに、1つの物語が世界中で共有されるようになってきた。

 その象徴が、「スター・ウォーズ」だ。スター・ウォーズの新作が公開されたのを機会に、世界中にファンを生み出す物語にはどんな秘密が隠されているのかについて考えてみよう。

「スター・ウォーズ」37年目の新作

 スター・ウォーズ第1作「新たなる希望」が日本で公開されたのは1978年、ちょうど私が大学に入学した年だ。当時34歳の若さのジョージ・ルーカスが監督したこの映画は、全9作からなる物語のエピソード4であると宣言されていた。なんとも壮大な構想ではないか。

 第1作を映画館で観たときの興奮は忘れられない。冒頭シーンにまず心を奪われた。映画は、宇宙空間をあらわす真っ暗な沈黙の画面で始まる。そこに、次の文字が浮かび上がる。

 A long time ago in a galaxy far, far away...
(遠い昔、銀河系の遥か彼方で・・・)

 次の瞬間、大音量のオーケストラ演奏とともに、STAR WARSのロゴがスクリーンいっぱいに映し出される。そして、ジョン・ウィリアムズによる名曲とともに、黄色い文字が画面手前から奥へと流れ、エピソード4に至るあらすじが紹介される。

 時は内乱のさなか。(中略)凶悪な帝国軍に追われながら、レイア姫は盗み出した設計図を手に故郷へと急いだ。人民を救い、銀河に平和を取り戻すために・・・。

 冒険の旅が始まる! オープニングだけでここまで胸が躍った映画はほかにない。おそらく、同じ意見の読者も多いことだろう。そこからの映像と物語はスリル満点であり、登場人物やロボットのキャラクターも魅力的で、何よりも宇宙の壮大な歴史を描く世界観が圧巻だった。そして、劇場公開の映画なのに、続きが気になって仕方がない状態で終わってみせた。次回作までファンを2年も待たせるという映画製作は、当時としては異例だった。