ダビンチの「美しき姫君」は贋作、レジ係がモデル 英制作者主張

イタリア・ベネチアで開催されたレオナルド・ダビンチによるドローイング展〔AFPBB News

 新しい年、皆さんはどのようにお正月を迎えておられますか?

 私たちは今年から「卓越で行こう!」というスローガンを立て、内外で頑張って行こう話しています。

 年の初めのためしとて、卓越(in excellence)という考え方について、お話してみましょう。

「代表取締役」と勘違いするな!

 17年前、私が東京大学に招聘され「作曲・指揮研究室」を開設したとき、創設された新しい部局「大学院情報学環」は「文系と理系の垣根を越え、芸術の本質をも革新する本質的に新しい部局を作るのである」と説明され、本当に勢い込んで2年ほど全霊をこめて機関の立ち上げに粉骨砕身しました。

 そこで私が研究室で追求するテーマとして、本来の領分、音楽の作曲演奏指揮と並行して記したのが「センター・オブ・エクセレンスの実現」というものでした。

 センター・オブ・エクセレンス・・・聞き慣れない横文字かもしれません。実際、英語のウィキペディアには記事が出ていますが、それに対応する日本語の解説は存在しない。

 逆に日本語で検索してみると「2002年から文部科学省が実施している「21世紀COEプログラム」といった公共事業の名前には登場するけれど、その実態は率直に申して定かであるとは言いがたい・・・。

 このCOEをチーフ・エグゼクティブ・オフィサー、つまり取締役社長か何かと勘違いしている若い研究者の卵を目にし、猪瀬博先生がご存命だったら何とおっしゃったか・・・と絶望に天を仰ぎました。

 ここで言うCOEは会社の社長なんかじゃない、「Center of Excellence(卓越中心)」という全く別の意味を持ちますが、言葉の原義すら知らないのではないか、と思われる、予算としての「COEプロジェクト」ばかりを実際目にします。

 個別の研究では良い成果が上がっているものもあると思いますが、率直に「Center of Excellence」を正味で実現しようとしているものなど、私が不勉強なだけかもしれませんが、正直一つとして思い当たりません。

 そこで、私にこの概念を28年前に教えて下さった故・猪瀬博先生に倣って、このセンター・オブ・エクセレンスという概念、その重要性と可能性を確認するところから始めてみたいと思います。