(英エコノミスト誌 2015年12月12日号)

インドと日本の指導者は互いを尊敬し、中国を恐れている。彼らの友情はアジアに影響を及ぼす。

訪日のモディ首相「21世紀は日印の協力で決まる」

インドのナレンドラ・モディ首相が就任後最初に訪問した国の1つも日本だった〔AFPBB News

 日本の安倍晋三首相が遅ればせながらツイッターを始めた時、最初にフォローした世界の指導者――そして今も安倍氏がフォローしている数少ない人の1人――は、インドのナレンドラ・モディ首相だった。両首脳は定期的に、ツイッター界で溢れんばかりの求愛に勤しんでいる。

 多くのことが2人を結び付けている。どちらもアジアの大規模な民主主義国の国家主義的指導者であり、しばしばわだかまりを生む負の側面を持つ。

共通点の多い2人

 安倍氏は帝国日本の戦時中の残虐行為について無神経で、一方のモディ氏は支持者の一部が抱くヒンズーの偏見から目をそらす。

 両氏とも、成長を喚起する改革や西側とのより緊密な軍事的連携を推進することによって、自国の偉大さを誇示したがる。どちらも、国連安全保障理事会の常任理事国の席を切望している。そして、中国が引き続き最大の貿易相手国だが、両氏とも中国の軍事的台頭に対抗することを望んでいる。

 そのため、安倍氏が12月11日から3日間の公式訪問でインドを訪れる時に問題になるのは、2人の指導者が戯れの恋から深い関与に移行できるかどうかだ。今回の訪問で一番見込みの高い具体的成果は、インドで最も活動的な都市の2つ、ムンバイとモディ氏の地元グジャラート州の商都アーメダバードをつなぐ新幹線を日本が建設するという合意だろう。

 ほかに可能性のある2つの取り決めはもっと重要であり、それゆえ議論を引き起こす。1つは、日本企業にインドで原子力発電所の建設に名乗りを上げることを認める民生用原子力協定に関する合意だ。日本は自国を核不拡散の熱心な推進者と見なしているが、合意が締結されれば、核武装国としてのインドの地位にお墨付きを与えることになる。

 2つ目の取り決めは、インドが日本の水上飛行艇を購入、製造する計画だ。実現すれば、日本が軍事プラットフォームを海外に売却する初めてのケースになる。新明和工業の「US-2」は、捜索や救援のほかに監視にも使われている。

 安倍氏は、日本とインドのパートナーシップは世界で「最も重要な2国間関係」だと主張する。それはお世辞にように聞こえる。日本とインド両国にとって最も重要な関係は明らかに対米関係だ――中国に対抗するためには、特にそうだ。