ジェブ・ブッシュ氏も公務に私用メアド、米紙調査で判明

兄が作った「負の遺産」で米国民から支持がなかなか得られない共和党のジェフ・ブッシュ大統領候補〔AFPBB News

 ジョン・F・ケネディやロナルド・レーガンといった人気の歴代大統領に比べると、どこか印象の薄いのが、第41代大統領のジョージ・H・W・ブッシュ(91)だ。

 下院議員、国連大使、米中央情報局(CIA)長官、駐北京連絡事務所長(米中国交樹立前の事実上の駐中国大使)、副大統領、そして大統領と輝かしい政治経歴を持つ父ブッシュ。

 しかも長男ジョージは第43代大統領、そして今また次男ジェフ(元フロリダ州知事)が次期大統領を目指して選挙キャンペーン中だ。まさに「ケネディ王朝」を凌ぐ「ブッシュ王朝」が築き上げられようとしている。

 息子を大統領にした米国大統領は、ジョン・アダムス第2代大統領とブッシュ氏の2人しかいない。次男が今度大統領になれば、米史上初の快挙となる。

 が、「柳の下に二匹目のドジョウ」はどうやら難しい状況になってきた。

 独走していた不動産王の「素人」ドナルド・トランプが失速し始めている中で、本命候補としてのし上がってきたのは「政治プロ」の保守強硬派のテッド・クルーズ上院議員(テキサス州)、それを追う保守中道のマルコ・ルビオ上院議員(フロリダ州)。

 サラブレッドのジェブ・ブッシュ氏は支持率5%程度に低迷したままだ。浮上を危ぶむ声すら出てきている。

これまで沈黙を守ってきたブッシュの最初で最後の「証言」

 本書は、日本流に言えば、昨年、卒寿を迎えた父ブッシュが信頼するジャーナリストに自らの人生、「ブッシュ王朝」の光と影を語り尽くした「回顧録」である。

 父ブッシュは、第2次大戦中、高校卒業と同時に海軍に志願入隊し、魚雷で艦船を攻撃するアベンジャー雷撃機のパイロットとして出撃。2回にわたって日本軍に撃墜されたが、生還している。

 その戦績により「殊勲飛行十字章」「殊勲部隊章」など数々の勲章を受章している。除隊後は名門イェール大学に進学、一塁手・キャプテンとして活躍した。

 米国人にはまさに愛国心に満ちた英雄、東部名門の典型的なお坊ちゃんだ。