(2015年12月14日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

IS「財務相」を空爆で殺害、米国が発表

若者がISISの過激思想に染まるのを防ごうとする取り組みが活発化している〔AFPBB News

 アブドゥラXは、労働者階級のアクセントで話し、黒と赤のTシャツを着て、大きな鎖を首にかけた英国のイスラム教徒だ。彼はシリアについて語る、若い視聴者を狙ったユーチューブの動画に登場する。

 このアニメキャラクターはソーシャルメディア上での「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」との戦いにおける最新兵器であり、フェイスブックやグーグルなどのハイテク企業が支援する、過激主義対策コンテンツの制作を増やそうとする取り組みの一環だ。

 パリとカリフォルニアでのテロ攻撃の後、ソーシャルメディア企業に圧力がかかる中、一部企業は新規勧誘を狙うテロリストによる動画や投稿の削除だけでなく、自社のプラットフォームを利用し、より好ましいメッセージを広めることへ目を向けている。

ユーチューブで若者に呼びかけるアニメキャラクター

 アブドゥラXは視聴者に対し、シリアの女性と子供のニーズについて考え、国内の家族に対する自分の責任を考慮し、イスラムのために戦っていると主張する集団の実際の動機を本当に知っているかどうか自問するよう呼びかけている。

 「シリアのために義務を果たすことが求められている。それは物事をよく知ること、間違った情報を得ないことだ」とアブドゥラXは締めくくる。

 フェイスブックと、ユーチューブを所有するグーグルは、自らコンテンツを制作することはないが、オンライン上で正しい視聴者――すでに過激主義のコンテンツに興味を示しているか、興味を示す人の人物像に合う若い欧米系イスラム教徒――を狙うツールを与えることで非営利団体を支援してきた。

 グーグルのエリック・シュミット会長は12月初旬のニューヨーク・タイムズ紙への寄稿で、ソーシャルメディア上での緊張の緩和を後押しするツール、「スペルチェッカーのようなものだが、憎悪と嫌がらせを対象としたもの」の構築を求めた。

 フェイスブックは特にここ数カ月、全世界で「カウンタースピーチ」のソーシャルメディア講習会に参加してきた。米国政府はソーシャルメディア企業と市民社会を引き合わせる「テクノロジーキャンプ」を後援した。