いよいよ2015年も残り1カ月となりました。「訪日中国人」という視点からみれば、2015年は毎月記録更新となるほど中国人が日本を訪れ、爆買い商品を販売する企業の業績を押し上げる等、非常に印象的な1年になったと言えます。

 一方で、前回、前々回の記事でも紹介したように、2015年は中国人の日本旅行が変わり始めた年にもなりました。

 前回の記事:「個人旅行客」の増加で中国のイメージが変わる?
 前々回の記事:変化する中国人観光客、「観光バスご一行」は消えてゆく?

 団体旅行から個人旅行へという流れは2016年も加速し、近い将来には中国人の日本旅行は個人旅行が中心となると予想されます。その意味で2016年はインバウンドに関わる企業にとって非常に大きな挑戦の年となることは間違いありません。

 前回その変化の1つとして、「決めてから買いに行く」から「行ってから買うものを決める」という変化についてご紹介しました。

 個人旅行客にとって旅行前の準備、情報収集は過酷であり、お買い物リストの作成まで手が回らない、結果としてお店に行ってから買うものを決めることになるというお話でした。

 今回はもう1つの注目すべき変化である「特定の商品を大量購入」から「さまざまな商品を少量ずつ購入」へのシフトについて紹介したいと思います。

爆買いは減っても土産の消費はなくならない

 前回の記事では、個人旅行者はお店で買い物リストを広げ、Wechat(「LINE」のようなメッセージと通話のアプリ)で大声でやり取りするのが恥ずかしいので、自分の目で判断する必要があり、リスク回避のためにも、さまざまな商品を少量ずつ購入するというお話をしました。

 この内容について、ある方から「つまり、個人旅行者が増えるとお土産消費はなくなってしまうということか。」という質問を受けました。