戦後70年、各地で追悼行事 中韓からは批判も

日本武道館で行われた全国戦没者追悼式(2015年8月15日撮影)〔AFPBB News

 小雨がちらつく11月10日、日本武道館において午後2時から3時間弱にわたって「今こそ憲法改正を! 1万人大会」が開かれ、主催者発表で1万1300人が館内を埋め尽くした。

 自民党総裁としての安倍晋三首相は衆院予算委員会の閉会中審査で出席できなくなり、ビデオメッセージによる挨拶となった。

 しかし、中山恭子次世代の党党首をはじめ衆参国会議員約30人が参加し、「美しい日本の憲法をつくる県民の会」の全47都道府県代表と多数の地方議員、インドとベトナムの来賓および数十名の同国民、そして1万人超の日本国民が参加した大会である。注目されていい大会に違いない。

 しかし、同夜9時のNHK「ニュースウォッチ9」は一言も触れなかった。NHKがどんな基準でニュースに取り上げているのかは知る由もないが、9条反対などは積極的に取り上げるところなどから見ても公平でないことは確かである。

NHKに「公平」は期待できない

 NHKには国の予算が投入され、同時に視聴者から受信料を徴収している公共放送機関である。不偏不党で、公平でなければならないことは言うまでもない。

 現憲法では国の安全に迅速かつ十分な対処ができないと危惧する憲法改正推進者の立場からすれば、10日の1万人大会はニュース、単なるニュースでなく大きなニュースになってしかるべきだと信じて疑わなかった。

 問題の性格は異なるが、NHKは報道番組の「クローズアップ現代」でやらせがあったとして、数日前に放送倫理違反を指摘されたばかりであった。

 偏向放送はこれまでもしばしば指摘され、安保法案審議時は多くのマスコミが「朝日、毎日、NHKなど」と、NHKを朝日や毎日新聞と一括りにして反安保法陣営に組み込んでいた。言わずもがなの偏向報道姿勢からの指摘である。

 過去には中村粲獨協大学教授が『正論』誌上で、平成9年6月号から「NHKウオッチング」として長年にわたってNHKの報道姿勢を批判し続けてきた。

 氏はNHKが多角的かつ公平であるべきであるとする「放送法」(第44条)や、特定の思想的立場を支持、助長し、他を排斥する「信条による差別」を禁じている「憲法」(第14条)の精神と規定をも侵害しているとして、受信料不払い運動さえ起こし、心を同じにする人々に呼びかけたほどである。