(2015年11月12日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

ドバイ航空ショー開幕、華麗なアクロバット飛行

11月8日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開幕したドバイ航空ショーで、エアバスの新型機A350の展示飛行を見る人たち〔AFPBB News

 エアバスとボーイングは、ちょっとした報復的なライバル関係を楽しむ。いつになく盛り上がるのが、世界最強の航空機メーカーが一堂に会し、最も多い民間機受注実績を公表できるのはどちらの会社かを競う航空ショーというイベントだ。ところが、ジェット旅客機が4年にわたって大いに売れた後、ゲームの楽しみが失せてしまったように見える。

 航空機需要の伸び率が世界で最も高い部類に入る中東のドバイで今週開催された航空ショーには、注文が本当に出てこなかった。

 早々に荷物をまとめて帰ってしまおうかと考える業界幹部もいたほどだ。カタール航空のある幹部は「私がここ10年で見た中で最も活気のないショーだ」と述べた。

大型受注に沸いた前回のショーとは様変わり

 2013年に開かれた前回のドバイ航空ショーは、全く様子が違っていた。急成長を遂げていたペルシャ湾岸諸国の航空会社――エミレーツ航空、エティハド航空、カタール航空の3社――はエアバスやボーイングと結んだ大型契約を数件公表し、自らのステータスを強調していた。

 この3社はわずか1日のうちに、計1400億ドルものジェット旅客機を購入する計画を発表したのだ。もっとも、この金額はカタログ価格ベースであり、発注機数が多かったことから実際には大幅な割引が適用されていただろう。

 今年のドバイ航空ショーが終わる頃には、注目に値する民間機受注は唯一、ベトナムのベトジェット航空の案件だったということになりそうだ。同社はエアバスからナローボディー(単通路)機「A321」を30機、80億ドルで購入する契約を交わした。

 ボーイングはこれに対し、以前交わした契約の相手の名前を明かすことで受注がなかったことを隠そうとした。これによると、同社はナローボディー機「737」を75機納入する契約をインドのジェットエアウェイズから獲得していた。受注額はエアバスと同じ80億ドルだという。

 ここでエアバス、ボーイング、そして両社の投資家の頭に浮かぶのは、記録的な受注残をもたらしてきた民間機発注の激流はドバイの暑さに負けてとうとう干上がってしまったのか、という疑問だ。