前回の『変化する中国人観光客、「観光バスご一行」は消えてゆく?』で、変わりつつある訪日中国人の旅行スタイルについて紹介をしたところ、多くの方から質問をいただきました。

 その中で最も多かったのは「個人旅行客の旅行スタイルは、団体旅行客と具体的にどのように違うのか」という質問です。

 前回のコラムでは、団体旅行から個人旅行に変わることで、「買うモノを決めてからお店へ行く」から「お店へ行ってから買うモノを決める」へ、また「1人が同一商品を大量購入」から「複数人が多様な商品を少量ずつ購入」へ、という変化が起きることについて紹介しました。

 そこで、今回からはより具体的にこうした行動変化とその理由を紹介していきたいと思います。まず、今回は「お店へ行ってから買うモノを決める」ようになった変化を分析してみましょう。

事前に「買い物リスト」を作る暇がない

 中国の人たちが日本へ旅行する前に徹底的に情報収集を行うことは有名ですが、団体旅行客と個人旅行客では、旅行前に収集する情報に違いがあります。

 団体旅行の場合、ほぼ全てのツアー会社は、空港に集合してから家に帰るまでのスケジュールを決めているので、旅行者は自分の頭を悩ます必要がありません。そのため、団体旅行客の人たちが旅行前に行う情報収集は「何を買うか?」に集中する傾向があります。そして、その努力の結晶が“買い物リスト”になります。

 これに対し、個人旅行の場合は、頼れるガイドさんがいません。全て自分たちで決めて行動する必要があります。そして、彼らにとって最大の不安要素は「日本語」です。