(2015年11月2日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

露軍艦が英海峡に進入、英海軍が監視

ウクライナ・セバストポリ湾を航行するロシアの誘導ミサイル駆逐艦ベスパコーイヌィ(左奥)〔AFPBB News

 米国海軍の新しい制服組トップによれば、米国は欧州における海軍のアセットを増強すべきか否かを検討している。ロシアの軍艦や潜水艦の活動が過去20年間見られなかったレベルにまで活発化しているためだという。

 海軍作戦部長に就任したジョン・リチャードソン大将は本紙(英フィナンシャル・タイムズ)に対し、黒海から地中海、太平洋へと広がるロシアの活動を受けて米国海軍は部隊の配置を世界規模で再検討していると述べた。

 「先方(ロシア)の潜水艦隊や海軍はしばらくぶりに、それこそ約20年ぶりの活発さを見せている」とリチャードソン大将は指摘した。「適正な戦力均衡を維持して適切に対応できるようにするには、我が軍の部隊をどのように配置するべきなのか?」

 そしてリチャードソン大将は、欧州と太平洋でのプレゼンスを高めるかどうかを海軍で検討中だと語った。「ちょうど今その話をしているところだ」

著しく活発化するロシアの海洋活動

 ロシア海軍の活動が活発化した一因はシリアへの軍事介入にあるが、他の地域でも次第に活発になっている。ロシア海軍総司令官のビクトル・チルコフ大将は先日、ロシアの潜水艦によるパトロールは2013年から50%増えたと明かした。

 また、ロシアの潜水艦が大西洋の海底に敷設された通信ケーブルを監視している兆候があることに米国当局者は特に警戒しており、そうした潜水艦の活動は「非常に厄介だ」とリチャードソン大将は語った。

 「あの種類の通信トラフィックを、他のチャネルで再構築するのは非常に困難だ」とリチャードソン大将。「その他のグローバルなシステム・・・繁栄や安全保障にリンクしている・・・情報システムにとって脅威になるだろう」

 ロシアの活動の背景には、南シナ海での中国の活動――海での強引な行動と人工島の建設――に対抗するために、現地で米国が新たな作戦を展開していることがある。この中国の活動については、世界の貿易貨物の30%が通過する海域での航行の自由を脅かすものだと多くの国々が考えている。