(2015年10月21日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

訪英の中国国家主席、女王の晩さん会に出席 周辺では抗議活動も

10月20日、バッキンガム宮殿で開かれた公式晩さん会で、エリザベス女王(右)と乾杯する中国の習近平国家主席〔AFPBB News

 先月のこと。中国の習近平国家主席が米国を訪れる直前に、バラク・オバマ大統領はサイバー犯罪について中国に制裁を発動する用意があると警告した。この厳しいメッセージは、今週の習氏の訪問を控えた英国のスタンスとは文字通り対照的に見える。何しろ英国の政府高官らは、中英関係が突入したのは「黄金の10年間」なのかそれとも「黄金時代」なのかという議論をしているのだから。

 米国と英国はともに、中国の指導者のために適度に壮麗な歓迎準備を整えた。

 習氏はホワイトハウスで21発の礼砲に迎えられ、晩餐会でもてなされた。英国ではバッキンガム宮殿での晩餐会に臨み、議会で演説する予定が組まれていた。

 しかし、ワシントンにいる中国問題の専門家たちによれば、大西洋を挟む同盟国の英米は、台頭著しい太平洋の大国と付き合うにあたって、その他ほぼすべての面において異なる対応を見せている。

 コンサルティング会社ユーラシア・グループのアジア事業のトップで、かつてはオバマ氏のアジア問題主席アドバイザーを務めていたエバン・メディロス氏は、英国は中国に対して見当違いなアプローチを採用していると述べている。

経済的利益を優先する戦術的な「対中迎合」に批判

 「台頭する中国との関係の管理に自明なことが1つあるとするなら、それは、もし中国の圧力に屈したらさらに圧力をかけられることは避けられないということだ」とメディロス氏は言う。「英国政府は、経済的な利益を期待して戦術的に迎合するという危険なゲームに臨んでいる。これでは今後、さらに問題を抱える恐れがある」

 米国が、中国に建設的な関係構築を求めることと数々の問題(人権問題、サイバースパイ問題、南シナ海での強引な行動など)について非難することとの両立を試みる一方で、英国のデビッド・キャメロン首相とジョージ・オズボーン財務相は、貿易の拡大や中国からの投資獲得のために自分の理念に背いた行動を取っていると批判されている。