大学で銃乱射の米オレゴン州、銃規制強化も悲劇防げず

米オレゴン州ローズバーグで、銃乱射事件が起きたアンプクア・コミュニティー・カレッジから避難する学生や職員ら(2015年10月1日撮影)。(c)AFP/Michael Sullivan/The News-Review〔AFPBB News

 先週、アメリカのオレゴン州のコミュニティカレッジで、拳銃とライフル銃で武装した1人の男が9人の学生を射殺する事件が発生した。オバマ大統領は「アメリカはこの種の事件に無感覚になってしまっている」と怒りの声明を発した。

銃に麻痺している社会

 2015年だけでもすでに7件の銃乱射事件が発生している。また、学校で発生した乱射事件は、2011年以降だけでも今回の事件で55件目である。

 乱射事件以外に銃を使った殺人や強盗などは枚挙に暇がなく、アメリカ各地で銃を使った犯罪がひっきりなしに発生している。確かにオバマ大統領が言うように、アメリカ社会は乱射事件に麻痺してしまっているようである。というよりは、銃そのものに対して麻痺してしまっているというべきであろう。

 例えば、ほとんどの州では、重罪を犯したものや精神病歴のある人以外の一般市民は誰でもライフル銃や散弾銃や拳銃を購入することができる。ただし、全くの野放しではなく、ライセンスを持った銃器店で購入する際にFBIと州の警察の犯罪歴照会が必要である。しかし、人口の何十倍もの数の銃器があふれてしまっているため、正規のルート以外でもいくらでも銃を手にすることができる。

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