(2015年10月1日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

ロシア大統領、シリア空爆を検討と表明 「国際法の規範内で」

9月28日、米ニューヨークで開かれた国連総会で演説するロシアのウラジーミル・プーチン大統領〔AFPBB News

 ジョージ・W・ブッシュは、ウラジーミル・プーチンの目をのぞき込んで、「彼の魂を感じ取った」と言った。もしかしたら、そうなのかもしれない。というのも、「対テロ戦争」という概念に関しては、米国の前大統領とロシアの現大統領は同志のように見え始めているからだ。

 ブッシュ氏と同じようにプーチン氏も、対テロ戦争の一環として中東に自国軍を展開することにした。

 そしてブッシュ氏と同じように、自分は文明世界のために戦っていると主張し、世界的な支持を呼びかけた。

 だが、2003年の米国と同様、今のロシアに関しても、誰がテロリストなのかという定義が少々曖昧に見える。ブッシュ氏を批判する向きは、サダム・フセインを「9.11」のテロ攻撃と結びつける証拠はないと指摘していた。同じように、シリアでのロシアの空爆はホムスなど、ジハード主義者に支配されていない地域を標的にしているように見える。

いったい誰が「テロリスト」なのか?

 ロシア空軍は、バシャル・アル・アサド率いるシリア政府の盟友たちと同様に、「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」として知られる過激派組織の部隊よりも、むしろ非ジハード主義の反政府組織を狙うのに熱心なように見える。

 だが、ロシアがウクライナで戦っている相手方の勢力が皆、「ファシスト」と呼ばれているように、ロシアは間違いなく今後も、シリアで攻撃している相手は皆、「テロリスト」だと主張し続けるだろう。

 プーチン氏の動きはシリアで間違いなく米国の不意を突いた。差し当たり、ロシアが主導権を握ったように見える。ロシア側は、すでにシリアでISISを空爆していた米国空軍に対し、ロシア機が空爆任務を遂行する間は空を飛ばないよう警告した。

 また、ロシアによる空爆は、シリアでISIS空爆に参加するか否かに関する、すでに物議を醸していた英国の議論を一段と複雑にした。