(2015年9月29日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

米政府職員の個人情報に不正アクセス、約400万人 中国が関与か

世界の2大大国の米国と中国はものの見方が大きく異なる〔AFPBB News

 「米国の大統領と中国の国家主席は、お互いにどう話しかけたらよいのかよく分からずにいる。異なるオペレーティング・システム(OS)で動いているコンピューターのようだ」。これは筆者がかつて、数々の米中首脳会談を間近で見てきたある米政府高官から聞いた意見だ。

そのため、先週行われた習近平国家主席とバラク・オバマ大統領の会談は建設的なものだったと双方が強調しているものの、筆者は疑いを抱いている。というのは、中国と米国は世界の見方が著しく異なっているからだ。筆者には、大きな相違点が5つ見て取れる。

(1)循環的vs直線的

 中国の歴史は非常に長く、米国の歴史は非常に短い。習主席は「中国は古代から続く文明だ。5000年の歴史がある」という表現を好んで使う。一方の米国は、国ができてまだ250年にも満たない。

 この視座の違いは、世界に対する両国首脳の考え方に大きな影響を及ぼしている。大まかに言えば、中国人は物事を循環的に考える。中国の歴史は、いくつもの王朝の興隆と没落の繰り返しだからだ。何世紀も続くことがある良い時代の後には、やはり何世紀も続くことがある悪い時代がやって来るのだ。

 これとは対称的に米国は1776年の建国以来、基本的にずっと同じ方向、すまわち、国力の増強と個人の繁栄に向かって進んできている。その結果、米国の政治家たちは歴史を直線的にとらえ、進歩を当たり前の現象と考えることが多い。

(2)普遍主義vs個別主義

 米国建国の信条は、「人は生まれながらにしてみな平等」で同じ不可侵の権利を有しているというものだ。このため米国人は、自由や民主主義といった、理想的にはどこにおいても適用されるべき普遍的な価値観の存在を直感的に信じている。

 対称的に中国人は個別主義者だ。中国にとって正しいことが世界全体にとって正しいとは限らず、その反対も同じだと信じている。この見方の違いが、外国での紛争への介入や人権保護に対して両国が対称的なアプローチを取ることの土台になっている。