2013年10月に『日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ』(文春新書)を出版した際、Amazonのカスタマーレビューに、『(この)著者は、半導体業界の「半沢直樹」である』と書かれた。当時、TBSで放映されていたTVドラマ「半沢直樹」は、視聴率40%を超える人気番組であったが1度も見たことがなかったので、今までこのレビューの意味がまったく分からないでいた。

 あれから2年たったが、シルバーウィーク直前、名古屋発東京行きの新幹線に乗る直前に、たまたま駅のホームの売店で池井戸潤著『オレたちバブル入行組』(文春文庫)を買って読んだ。ああ、これがあの人気番組「半沢直樹」の原作だったのかと初めて知ったのだが、あまりの面白さに自宅に着くまでに読み終えてしまった。

 さらに続編の『オレたち花のバブル組』(文春文庫)、『ロスジェネの逆襲』(文春文庫)、『銀翼のイカロス』(ダイヤモンド社)をすぐさま購入し、一両日中には全部読んでしまい、さらに最初の1冊目に戻って全4冊を再読してしまった。

 こうして「半沢直樹」中毒となった私は、その後TSUTAYAで「半沢直樹」のDVD全6巻をレンタルし、寝食を忘れてこれを視聴した。すべて見終わると、これも第1巻に戻って、再び全6巻を全部見た。そしてあまりにも気に入ったため、Amazonで『半沢直樹 -ディレクターズカット版- DVD-BOX』を1万9480円で購入してしまった(ここまで来るともはや異常である)。こうして私のシルバーウィークは、「半沢直樹」漬けで終わった。