(2015年9月24日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

「中韓は軍国日本の被害共有」、訪韓中の中国主席が講演

習近平氏は鄧小平以来どんな中国の指導者よりも強固な権力基盤を確立した〔AFPBB News

 中国の最高指導者である習近平氏が理解していることがあるとすれば、それは権力の本質だ。1週間に及ぶ米国公式訪問で、最初に訪れる先がワシントンの政治的指導者ではなく、シアトルの実業界のエリートだったのは、そのためだ。

 習氏は鄧小平以来どんな中国の指導者よりも、クマに似た、優しい叔父を思わせるような自分自身に大きな権力を集中させた。

 毛沢東その人より大きな権力を掌握したと言ってもいいだろう。

 皮肉なのは、その習氏が、いくつかの点で何年もなかったほど脆弱に見える国家を率いているということだ。

習近平主席の中国とオバマ大統領の米国の好対照

 中国の経済モデルは音を立ててきしんでおり、緊急の修理を必要としている。成長は実質的に数年前の半分のレベルに減速した。今週発表された統計は、かつて中国経済の頼みの綱だった製造業が急減速していることを明らかにした。

 米国は正反対の状況にある。自身の権力に対する制約がほとんどなく、あと7年間は最高指導者の座にとどまることを見込める習氏と比べると、バラク・オバマ米大統領は、最近の活発な動きにもかかわらず、過去の人のように見える。オバマ氏は敵対的な米議会に対して責任を負わねばならず、大統領の任期は1年余りしか残っていない。

 だが、米国は復活を遂げている。米国のハイテク企業は世界の頂点に立っている。国内では膨大な量の安価なエネルギー資源を発見した。そして米国経済は、自ら招いた2008年の金融危機から勢いよく回復している。