(2015年9月17日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

中国経済が公式統計よりも減速していると見るエコノミストは多い (c) Can Stock Photo

 我々はとっくに、中国の偽物には慣れっこになっている。腕時計の偽物。DVDの偽物。最近ではゴールドマン・サックスの偽物まで登場している。しかし、もっと根本的なものまでが偽物だったら、一体どうなるのだろう。中国の国内総生産(GDP)の数字が言われているほどすごいものではなかったとしたら、一体どうなるのだろうか。

 これは多くのエコノミストが以前から抱いていた疑念だ。

 第1に、中国が発表するGDP成長率のデータは、本当だろうかと疑ってしまうほどスムーズだ。

 ほとんどの国が好不況の波にさらされている一方で、中国だけはそんな波には関係なく成長しているように見える。

 第2に、省のデータの合計と国全体のデータが一致しないことがある。中国の貿易統計と貿易相手国のそれとがマッチしないことも少なくない。こうした不一致は、国土があまりに広く経済活動の計測が非常に難しいためでもある。だが、政府幹部の報酬が経済成長の粗雑な指標に基づいて決められるという、歪んだインセンティブのせいでもある。

ソフトランディングか否かの大きな違い

 中国経済が恐ろしく速いペースで成長している間は、そうしたことはあまり問題にならなかったのかもしれない。8%だろうと10%だろうと、経済が成長していることは間違いなかった。次々に姿を現す建物、好況に沸く都市への人口流入、国民の生活水準の明らかな改善など、証拠はそこら中に転がっていた。

 だが、経済成長が――ことによると劇的に――減速している今、GDP統計の正確さを判定することは以前よりも重要になっている。もし現在の成長率が中央政府の言う通り7%であるなら、官僚たちは昨今の市場の変動にもかかわらず、投資主導の経済成長からの脱皮を進める一方で中国経済のソフトランディング(軟着陸)を成し遂げつつあることになる。