米、職員の病欠を有給に オバマ氏が大統領令

任期があと1年4カ月となったオバマ大統領。オバマ外交によって世界でのアメリカの影響力は大きく衰えた。米ボストンの労働評議会で演説するオバマ大統領(2015年9月7日撮影)。(c)AFP/MANDEL NGAN〔AFPBB News

 米国の外交はどこへ向かうのか――。

 後退したとはいえ、なお世界で唯一の超大国、日本にとって唯一の同盟国である米国の外交政策は、日本にとって常に重大な関心の対象である。特に残りの任期が1年4カ月ほどとなったオバマ政権の外交がどうなるのかは、細心の注意を払う必要があろう。

 結論を先に述べるならば、オバマ政権は消極的な外交を継続する。よくいっても現状の維持、あるいは“漂流”だろう。同時に、北朝鮮との融和などという驚きの可能性があることも否定はできない。

 オバマ大統領に残された任期はすでに短く、内政でも外交でも「レームダック(死に体)」化が語られる。退場前に外交面での「遺産」を残したいオバマ大統領は、イランとの核合意とキューバとの国交樹立を重点的に推進しようとしている。だがこの2件とも米国内での反対は激しく、輝ける外交成果として歴史に残る可能性は薄い。

 オバマ政権が登場して以来の6年半、米国は世界でのプレゼンスやパワーを大幅に縮小し、米国の対岸に立つ諸勢力を膨張させてきたと総括できる。