モスクワ市長のセルゲイ・ソビャーニン氏(ウィキペディアより)

 8月末、モスクワに帰任して、まずは近所のスーパーに飛び込んだ。ロシア連邦統計庁発表の7月度小売売上高は、前年同月比マイナス9.2%と、4月以降連続してマイナス9%を超えている。その実態はいかに――。

 スーパーの売り場ではどのように現れているのか、確認のためのスーパー訪問だった。

 この1年間、我が家では6リットルのPET容器入りミネラル水を愛用している。水道に含まれる炭酸カルシウムを心配する家人が料理にもミネラル水を使うことにしたためである。

 これが経済的にも大した負担にならないのは、6リットルでも50ルーブルという商品をみつけたからである。50ルーブルというと、1ルーブル=2円というレートで換算しても、100円。

 日本で購入するPB商品の3分の1程度となろうか。この製品が値上がりもせずにまだ商品棚に並んでいる。

銘柄を変えれば価格は以前と同じ

スーパーの乳製品売場を見ると、商品の種類が増え、金額的にも下から上まで非常にばらけてきたのが分かる。また、生乳に比べ、ケフィールのような発酵乳が増えていて、価格も従来品と変わらない。日本では生産されていない酵母発酵のケフィールが1リットル52ルーブル(100円ほど)とは、日本人には価値あるルーブル安である

 事務所のモスクワスタッフからの連絡では、乳製品、特にチーズ、ミルク、ヨーグルト類の価格上昇が目立つということだった。売り場を見ると、確かに以前は1リットル60ルーブル(120円)ほどだったミルクが、80ルーブルと3割程度上がっている。

 ただ、よく見ると、売り場のショーケースの外には、常温保存が可能なロングライフミルクが多種類並んでいて、その価格はまさに従来の60ルーブル以内に収まっている。

 銘柄を変えれば、従来の予算でミルクを購入することはできる。このあたりは、なかなかうまいマーチャンダイジングを実行している。

 輸入ものが多いチーズについては、ちょっと事情が異なる。量り売りとなる生チーズの種類が減り、国内メーカーもののスライスチーズが増えている。

 量り売り商品は軒並み価格が上昇しているが、パックされたスライスチーズに大きな価格変化はない。従い、スライスチーズを求める限り、チーズについてもそれほどコストアップという印象はない。