(2015年9月7日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

世界の避難民ら、14年は過去最多の5950万人 国連

トルコ・アクチャカレの国境検問所の近くで、壊された国境のフェンスからトルコ領内に不法入国するシリア難民ら〔AFPBB News

 歴史家がバラク・オバマ大統領の実績を評価する時、シリアという言葉はマイナス要素になるはずだ。オバマ氏がバシャル・アル・アサド大統領の政権退陣を求めてから4年経つ。オバマ氏はその実現に向けてほとんど何もしなかった。そして、やろうとしたわずかなことは、アサド氏の支配力を強めたと言える。

 20万人以上が命を落とし、400万人が難民と化した後、米国の対応を他の西側民主主義国の対応と区別するのは難しい。

 ドイツとスウェーデンを顕著な例外として、西側諸国はシリアから逃げ出す群衆への支援を拒んだ。

 オバマ氏は用心すべきだ。シリアは、立派な外交的レガシーの脚注などではない。これは過ちの告発である。

米国の不干渉、お金での埋め合わせには限界

 シリアの人道的危機に対するこれまでの米国の不干渉は数字で測ることができる。ドイツはシリアからの難民申請を最大で80万件受け付けると述べ、欧州の近隣諸国を恥じ入らせた。80万という数字は、他の欧州諸国を足した受け入れ数の数倍に上る。シリアの内戦が始まってから、米国が受け入れた難民はたった1434人だ。

 米国が毎日、それ以上の数のメキシコ系移民を強制送還していた時期があった。お金ではある程度の埋め合わせしかできない。米国は人道援助に40億ドル費やしており、その額は欧州をかなり上回る。

 だが、シリアの近隣諸国が負担しているコストと比べると、見劣りする。レバノンでは現在、住民の5人に1人がシリア難民だ。トルコは圧倒されている。