(2015年8月31日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

ベントレーなどの英国の超高級車は特に大きな打撃を受けている (c) Can Stock Photo

 世界の大半の自動車メーカーにとって、8月下旬の中国株暴落は落ち着かない夏に突然の終わりをもたらした。これらのメーカーは過去数年間、世界で最も収益性の高い市場で快適なドライブを楽しんできた。

 だが、高級車ブランドにとっては、痛みはしばらく前に始まっていた。中国の習近平国家主席が2013年に汚職撲滅運動を開始して以来ずっと、誇示的な消費に対する締め付けがベントレーやロールス・ロイスのような高級車の販売を落ち込ませる恐れがあった。

 今年、その影響が出始めている。「みんな、本当に苦しんでいる」と、ある高級車メーカーの幹部は言う。

 減速する経済、渋滞を緩和させるための大都市でのナンバープレートの発行制限、国内ブランドに対する消費者の購入意欲の高まりの組み合わせ――しかも、その背景に反汚職キャンペーンがある――が、欧米メーカーにとって厳しい環境を生み出した。

 「これらの要因はすべて、自動車販売に対し、変動の激しい株式市場よりも直接的な相関関係を持っている」。上海に拠点を構えるコンサルタントのビル・ルッソ氏はこう言う。

中国ブームの反動で急減速

 それでも、自動車販売の突然の減速は一部の人を驚かせた。とりわけ、ここ数カ月で販売が減少に転じた時は、そうだ。中国汽車工業協会によると、7月の乗用車販売は6.6%減少し、2カ月連続の減少となった。

 一部のアナリストは、落ち込みの規模があまりに大きいため、フォルクスワーゲン(VW)やBMWなどの多国籍メーカー――VWはベントレー、BMWはロールス・ロイスの親会社――が近く業績予想を下方修正せざるを得なくなると見ている。

 「我々の行く手にはまだ中国のドラマが待ち受けていることを肝に銘じておいてほしい」と、バーンスタイン・リサーチのアナリスト、マックス・ウォーバートン氏は言う。