(2015年8月28日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

パキスタンとインドの核兵器開発競争は世界の懸念材料となっている( (c) Can Stock Photo

 パキスタンが核弾頭を年間20発ずつ製造し続けたら、今後10年以内に、米国、ロシアに次ぐ世界第3位の核軍備を持つ可能性があると、新たな報告書が警告している。

 米国のアナリスト2人が作成し、カーネギー国際平和財団が公表した報告書は、パキスタンの隣国で競合国のインドは年間5発の核弾頭を製造している模様で、パキスタンがインドを上回っていると結論付けた。

 両国の核戦力を綿密に追跡している西側の外交官らは、インドが保有する核弾頭数が約100発で、パキスタンが約120発だと見ている。

 報告書の内容についてコメントを求められると、あるパキスタン政府高官は「将来に向けた(報告書の)予想は非常に誇張されている。パキスタンは責任ある核保有国であり、無謀な核保有国ではない」と述べた。

 隣国イランが核兵器を開発するのを阻止しようとする取り組みに照らすと、パキスタンの核兵器増強は目を引く。

インドの抑止にらむ核プログラム

 パキスタンが核保有国になったのは1998年。インドが2度目となる一連の核実験を行った3週間後に、パキスタンが核実験を6回実施した時のことだ。どちらの国も核拡散防止条約(NPT)に調印していない。

 インドとパキスタンの核兵器プログラムは高度な秘密主義に包まれており、西側のアナリストらは長年、両国が保有する核弾頭数を正確に評価するのに苦労してきた。

 パキスタンの安全保障問題評論家、ハッサン・アスカリ・リズビ氏は、パキスタンとインドの違いは、パキスタンの核プログラムがインドを抑止するよう設計されているのに対し、インドのプログラムは核保有国としての世界的認知を得ることを意図していることだと指摘する。