(2015年8月28日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

トルコ内閣、汚職疑惑で10閣僚交代 エルドアン首相は続投

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は大統領権限を強化する憲法改正を目指している〔AFPBB News

 トルコは1人の男の野望の人質になっている。レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の野望だ。有権者が6月に新イスラム主義の与党・公正発展党(AKP)を過半数割れに追い込み、AKPに4度目の勝利を与えるのを拒んだ後、エルドアン氏はこの国を事実上乗っ取り、新たな総選挙に向かわせる。

 6月の選挙結果はハングパーラメント(絶対多数の政党が存在しない議会)を生み出した。

 だが、そのメッセージは、トルコ国民の大多数はワンマン支配を望んでいないというものだった。

 昨年、それまで概ね儀礼的だった大統領の座に就いて以来、エルドアン大統領はすでに、議会、内閣、そして司法などの制度機構から権力を奪い取ってきた。

 エルドアン氏が公言する目的は、束縛を受けない権力を求める自身の傲慢な好みに沿って憲法を作り変えるために、AKPの圧倒的多数を獲得することだった。

気まぐれなスルタン

 エルドアン氏が散々分裂させてきたこの国が、全方面から攻撃されていることなど、お構いなしだ。トルコは南部の国境からは、先月トルコ国内で攻撃を始めた「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」に脅かされている。クルド人が中心の南東部では再燃した戦闘に直面している。そして、景気低迷と通貨下落によって、新興国を取り巻く深刻な不確実性の中で短期資本の流出に見舞われやすくなっている。

トルコ大統領、1150室の公邸建設の理由は「旧官邸のゴキブリ」

アンカラ郊外の新大統領公邸〔AFPBB News

 ベルサイユ宮殿の4倍の大きさを持つ新オスマン主義の低俗な新宮殿から気まぐれなスルタンのように国を支配するエルドアン氏は、ルイ15世が発したとされる言葉の精神を具体化させているように見える。

 「Après moi le déluge(我が後に大洪水あれ、後は野となれ山となれの意)」という言葉だ。