(2015年8月25日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

中国懸念で世界同時株安、米NYは一時1000ドル超急落

8月24日、米ニューヨーク市場で、株価を表示したモニターを見つめるトレーダー〔AFPBB News

 ギリシャが7月に欧州の債権国・機関と第3次救済について合意に達した時、エコノミストらは、2015年の世界経済の大きなリスクの1つが現実にならないことに安心した。穏やかな夏がやって来るはずだった。

 ところが、世界経済に対する不安は増大した。

 そして、トラブルの震源地が欧州で最も小さい経済国の1つではなく、世界最大級の中国であることから、潜在的な影響ははるかに大きくなっている。

 純然たる規模の大きさ、資源輸出国に対する重要性、あるいは世界の信頼感を揺るがす力のどれを経由するにせよ、中国の経済的試練は各地の金融市場に響き渡り、世界経済の健全性を脅かしている。

それでも来年の展望は今年より明るい

 エコノミストらは、まだ狼狽していない。多くのエコノミストは2016年の世界成長の予想を引き下げているが、その予想数字はまだ2015年の予想より概して高い。

 例えば、バークレイズのアントニオ・ガルシア・パスクアル氏はいまでも、新興国と先進国の成長率が年末にかけて上昇し、世界経済は2016年に3.7%拡大すると見ている(2015年の成長予想は3.2%)。

 シティグループのチーフエコノミスト、ウィレム・ブイター氏は、世界経済は「極めてデリケートな段階」にあると指摘し、中国、日本、そしてアジア、中南米の新興国について2016年の成長予想を引き下げている。だが、ブイター氏はなお、経済情勢が来年上向くと見ている。

 一方、近年の世界金融危機との比較は根拠が薄いと言う人もいる。例えば、1997年とは異なり、アジア諸国は自国企業の外貨建て債務を保護していた絶望的な為替レートのペッグを防衛しようとしていない。株式市場は、2000年のドットコムバブル当時ほど明らかに過大評価された状況にはない。そして、2008年の世界危機当時とは異なり、金融機関は倒れていない。