(2015年8月21日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

米国株式市場は強気相場を謳歌してきたが・・・ (c) Can Stock Photo

 どんな尺度で見ても、これは米国株にとって、かなりの強気相場だった。S&P500株価指数が前回、直近の高値から10%という典型的な下落を見せてから、46カ月が経過しているという事実ほど、それを如実に物語るものはない。この種の調整は、潮の満ち引きのように、市場が正常に機能していることを表している。近年は見られない特徴だ。

 そして今、米連邦準備理事会(FRB)がほぼ10年ぶりに金利を引き上げようとしており、中国の景気減速と最近の通貨切り下げがこの先の潜在的に大きな問題を暗示している中で、S&P500に対する投資家心理は楽観的に見える。

 実際、代表的な株価指数を一時的に年初と比べてマイナスになる水準に押し下げた8月第3週の不安の兆候の後、市場は高配当銘柄、特に電力株に回帰する循環的な動きや、ヘルスケアと一般消費財という2015年の2つの花形セクターに対する新たな買い意欲に支えられ、ある程度持ち直した。

底堅かった米国株

 米国株は8月の閑散期に一定の底堅さを示し、英国、欧州、カナダ、オーストラリア、日本などの主要株価指数、とりわけ新興国の株価指数より落ち込みが小さかった。

 だが、株式市場は8月20日に再びマイナス領域に入り、S&P500は2月以降、概ね2050~2100の間で取引されてきた*1

 セクター間の循環的な動きが強気相場の長期化を覆い隠す助けになっており、大量の自社株買い――利益と売上高の状況が悪化する中でも1株当たり利益を押し上げる――や2007年以降見られなかったM&A(合併・買収)ブームにも下支えされていると主張することは可能だ。

 であれば、S&P500の10%の下落を超えるような大幅な市場の調整はいずれ訪れるはずで、いくつかの基準から判断すると、その時は間違いなく迫ってきている。

*1=この記事原文が掲載された21日、中国経済の先行き不透明感の高まりから米国株も大きく下げた