(2015年8月18日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

プーチン露大統領、クリミア併合1周年で演説

今年3月、ロシアのモスクワで行われたクリミア併合1周年記念行事で演説するウラジーミル・プーチン大統領〔AFPBB News

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の支持者の中で、いわゆる「正教会ビジネスマン」でウクライナの分離独立派への支持を率直に表明してきたコンスタンチン・マロフェエフ氏以上に熱心な支持者を探すのは難しい。

 マロフェエフ氏に言わせると、プーチン氏の功績は、オリガルヒ(新興財閥)を叩き潰し、ロシア全土にクレムリンの権威を再び示し、経済を再生し、ロシア正教会を強化し、独立した地政学的プレーヤーとしてロシアを再建したことだ。

 「ロシアはベルギーではない。ロシアは帝国としてしか存在し得ない」。マロフェエフ氏は今年、ロシア帝政期の飾りで光り輝くオフィスで、筆者と在モスクワの同僚たちに対してこう語った。「プーチンは歴史的な指導者だ。過去100年間で最高の指導者だ」

筋金入りのプーチン支持者のためらい

 しかし、プーチン氏は果たして彼が去った後も長続きする統治制度の構築に成功したかどうかと尋ねると、多弁なマロフェエフ氏がらしからぬ疑念を口にし、「もう1人のプーチンを見つけるのは至極困難だ。この制度がプーチンなき後も続くかどうかは分からない」と述べた。

 同氏のためらいは、ロシア政府と渡り合う西側諸国の政策立案者が検討すべき、プーチン氏の支配の大罪に触れている。プーチン氏は競合する機関から権威と正当性を奪うことで、クレムリンの権力基盤を固めてきた。この15年間で、議会、地方の首長、自由な報道機関、野党、裁判所を無力化してきた。

 どんな長期的観点から見ても、プーチン氏のロシアの顕著な特徴は、その強さではなく、憂慮すべき脆さだ。

 目先は、プーチン氏は見るものすべてを自由に操り、復活したロシアを率い、旧ソ連の隣国を威嚇しているという印象を与えるかもしれない。実際のところ、ロシアに関する西側の議論は同国の循環を誇張する傾向があり、欧米の政治家は新たな冷戦の可能性に震えている。