(2015年8月18日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

韓国政府が本当にチェボルに対する創業家支配は維持するに値すると考えるなら、罪を犯した経営者を特赦する以外にやりようがある(写真は韓国大統領府 (c) Can Stock Photo

 いくつかの国々がシステム上重要な金融機関、つまり、大きすぎてつぶせない銀行の扱いに悩んでいる一方で、韓国は「システム上重要な人物」という概念の問題に取り組んでいる。

 朴槿恵(パク・クネ)大統領は先週、SKグループの創業一族の崔泰源(チェ・テウォン)会長に特別赦免を与えた。

 SKグループは韓国で3番目に大きなチェボル(財閥)であり、崔泰源氏は同グループの複数の企業から4000万ドルを超える資金を横領した罪で懲役4年の刑に服している最中だった。

 同氏にとっては2度目の、株主をだました罪での有罪判決だった。

2度も有罪判決を受けた経営者が復帰する不思議

 しかし、韓国の主流派の経済団体は崔泰源氏の釈放を求める運動を展開した。経済にとって重要な人物である、というのがその根拠だった。朴大統領は、同氏の特赦を正当化するコメントの中で、この根拠に暗黙の承認を与えた。また、日本の支配から解放されて70年になることを踏まえて、同氏以外の数千人についても特赦を発表した。

 釈放された崔泰源氏は17日、グループ会社の経営陣との会議を仕切ることでこれに応えた。会議の中で同氏は、大規模な投資計画を実行に移すよう促したという。

 韓国では以前にも、大統領が大物財界人に特赦を与えて釈放した例がいくつもある。朴槿恵大統領はこうした特赦をかつて批判していた。