(2015年8月14日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

米国債のデフォルト・格下げ、世界経済への影響は?

企業が莫大な現預金を抱え込んでいることは周知の事実だが・・・〔AFPBB News

 米連邦準備理事会(FRB)の理事たちが利上げするかどうかを決めるために9月に委員会を開く際には、熟考すべき経済統計が大量にある。だが、もし彼らが金融の現状について目新しい変化を求めているのだとしたら、米国企業のバランスシートにざっと目を通すべきだ。

 というのも、最近、米国企業の余剰資金の運用方法に関して、微妙な――そして、概ね気づかれていない――変化が進行しているように見えるからだ。

 また、現在の西側の金融の大部分と同様に、これは部分的に低金利世界の予期せぬ副作用によって引き起こされた傾向だ。

 これを理解するためには、米財務専門家協会(AFP)が最近公表した企業財務担当者の行動に関する調査を見るといい。この分析は、よく知られた点を強調することから始まる。すなわち、企業の利益が急増する一方、投資が依然として比較的低調なため、企業が保有する現金が最近膨れ上がったという点だ。

膨れ上がる余剰資金、以前は資本市場に預けられたが・・・

 AFPの報告によれば、例えば財務担当者の31%が、自社の現金残高が昨年増加したと話す一方、46%が変わっていないと述べ、ほとんどの財務担当者がこのパターンが続くと予想しているという。そうなると、エコノミストたちが、企業のバランスシート上に現在1兆~2兆ドルの使われない資金が存在すると推定しているのも不思議ではない。

 だが、最も興味深いのは、普段は目に触れない詳細だ。つまり、財務担当者がこの現金の山で何をしていると言っているのか、ということだ。

 最近までは、財務担当者が余剰資金に恵まれた時は、資金を資本市場に預けておく傾向があった。例えば、AFPの話では、2008年には、財務担当者が手持ちの短期資金の約半分をマネーマーケットファンド(MMF)や短期国債その他の証券で運用していたという。普通の銀行預金としていたのは20%程度だった。