(2015年8月11日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

ロシア政府は危機の最悪期は脱したと言っていたが・・・ (c) Can Stock Photo

 ロシアの第2四半期の経済成長率(速報値)が前年同期比でマイナス4.6%に低下した。6年ぶりの大幅な落ち込みで、金融危機以来の景気後退入りが決まった。

 ロシア連邦国家統計局はこの速報値の詳細を開示していない。

 だが、アナリストらによれば、小売売上高や鉱工業生産、世帯所得といったセクターごとの統計数値が実質ベースでさらに大幅な落ち込みを示唆しており、この速報値は下方修正される公算が大きいという。

 マイナス4.6%という速報値は、市場予想よりも若干悪い数字だった。エコノミストらは、再び生じた原油安、そしてそれを受けて進行してきた通貨ルーブルの下落のために、早期の景気回復はますます考えにくくなっていると警告している。

 第1四半期の経済成長率はマイナス2.2%という比較的マイルドな値だった。ロシア政府は6月まで、昨年の終わりごろに下落したルーブルはその後安定し、危機は最悪期を脱したと国民に断言していた。

プーチン体制下で初の実質所得減少

 しかしロシアでは2014年12月に、ウラジーミル・プーチン大統領が権力を握るこの15年間で初めて実質所得が減少しており、簡単には乗り越えられない障害になっている。

 先月公表されたデータによれば、6月の小売売上高は前年同月比で9.4%減少しており、第2四半期には個人消費の落ち込みに拍車がかかった。また第1四半期には横ばいだった鉱工業生産も、第2四半期はほぼ5%のマイナスになっている。

 「原油価格がここ数カ月でさらに下落しているため、回復を論じるのは時期尚早だ」。調査会社キャピタル・エコノミクスのアナリスト、リザ・エルモレンコ氏はそう指摘する。